令和3年度 赤穂市民病院指標

「 DPCデータによる病院指標について」

DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいて作成した指標のことで、病院の実態をあらわす診療実績とは異なるものです。この病院指標の公開は、当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的としています。こうしたデータをもとに当院では、さらなる医療の質向上に向け、質改善活動を行っております。

現在公開している病院指標は、集計期間中に当院を退院した患者さんのデータを対象として作成しています。ただし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等を利用された患者さんのデータは含まれません。

当院では指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しております。

<DPC(診断群分類)とは>
入院で行われた治療行為を傷病名や治療内容に応じて分類することを言います。
傷病名と手術、処置の有無の組み合わせによって14桁のDPCコードが決められています。

「集計条件」
・集計対象は令和3年4月1日から令和4年3月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者
・入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児、臓器移植に関する患者は集計対象外
・患者数が10人未満の数値の場合は、-(ハイフン)を表示

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 99 50 64 99 203 381 741 1574 1238 428
令和3年4月1日~令和4年3月31日までの退院患者さまを10歳刻みの年齢階級別に集計しています。
年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定しています。

当院は地域中核病院、地域医療支援病院として幅広い年齢層の患者さまにご利用いただいております。
全退院患者数は4,877名で令和2年度はCOVID-19の影響をうけて全年齢層において症例数が減少しましたが、令和3年度は徐々に増加傾向にあります。
社会の高齢化に伴い70歳以上の患者さまが多く全体の66.4%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 51 23.82 20.57 9.80 85.25
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 36 7.47 10.39 2.78 58.22
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり 25 16.20 14.41 8.00 73.68
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 24 9.46 13.14 4.17 78.71
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 21.35 17.35 17.65 85.59
内科では誤嚥性肺炎が最も多くなっています。
平均年齢は85歳以上で、高齢になると脳血管障害、神経変性疾患などにより嚥下機能が低下するため、子どもや成人よりも誤嚥しやすく誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
次いで慢性腎臓病、末期腎不全の疾患が多くなっています。
当院では腎臓病の診断治療、保存期腎不全から透析医療までのトータルケアを行っています。
腎臓病の早期発見、早期治療を目指し、腎生検を積極的に行っています。慢性腎臓病の患者さまに対し透析回避を目的としたCKD教育入院を行い、保存期腎不全の包括的管理を担っています。
また、腎代替療法(血液透析, 腹膜透析, 腎移植)について正しく理解していただくため、内科外来、病棟、透析センターと連携して透析療法選択外来も開設しています。
平成29年8月にオープンした新・透析センター(透析ベット40床)では地域中核病院の維持透析センターとして透析管理を行っています。
血液透析、腹膜透析いずれの透析療法も当センターで行うことができ、それまで保存期診療を担当した内科医師とともに自分に合った透析療法を選択できるようサポートしています。
呼吸科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 15 11.13 13.12 6.67 74.40
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 13 32.85 18.42 0.00 71.38
040130xx99x1xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2あり 12 41.33 15.37 8.33 80.83
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 14.40 10.47 0.00 78.40
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 3.30 - -
呼吸器科では肺癌が最も多くなっています。
どこの病院でも呼吸器科の病床の半分以上が肺癌患者さまです。
平成14年に分子標的治療薬(イレッサ)が肺癌診療に導入され現在までに16種類の分子標的治療薬が開発されました。
一方平成27年には免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ)が保険収載され現在では5種類の免疫チェックポイント阻害薬が使用可能です。
もちろん各薬剤の投与基準が厳密に決まっていてさらにその適応基準の中には検査方法まで規定されています。これを個別化医療といいますが、この個別化医療が最も進化しているのが肺癌の領域だといわれています。
予想に反して全く効果のみられなかった患者さまに落胆し、重い副作用と格闘し、著効した患者さまとは一緒になって喜び、日進月歩の肺癌診療を少しでも皆さまに体験して欲しい、そんな思いで毎日診療に取り組んでいます。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 344 2.30 2.65 0.00 69.07
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 57 15.68 9.21 0.00 78.35
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 47 11.06 7.96 0.00 74.87
060370xx99x0xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術なし 手術・処置等2なし 30 13.33 12.82 0.00 67.43
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 14.15 11.16 3.70 66.26
地域の中核病院として消化器全般の最先端治療を目指しています。特に消化管の内視鏡治療、肝癌の集学的治療に力点を置いています。
平成29年8月から内視鏡室を拡充し内視鏡センターとしました。
内視鏡センターでは、上部消化管内視鏡(食道、胃、十二指腸)、小腸内視鏡(バルーン内視鏡、カプセル内視鏡)、下部消化管内視鏡(大腸)、胆膵内視鏡による診断と治療を行っています。
消化器内科では大腸腺腫や大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除(EMR)目的の疾患が最も多く、消化器内科全体の24%を占めています。
EMRは内視鏡を用いて筋層以下に障害を与えずに、粘膜下層の深さで粘膜層を広く切除し、組織を回収する技術です。
患者さまのQOLの向上につながる低侵襲治療の実現のため「広範囲の早期がんをより的確に、完全に、一括切除する」ことを目指したEMRは、早期のがんに対し従来の外科的治療に代わる治療法として脚光をあびています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 127 5.90 3.27 0.79 72.78
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 92 29.29 17.35 8.70 85.34
050130xx9910xx 心不全 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 41 8.49 14.53 0.00 70.85
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 39 7.18 4.79 0.00 69.90
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 38 23.66 22.07 7.89 79.68
循環器科では狭心症の患者さまに心臓カテーテル検査を行った症例が多くなっています。
この検査は、手首の動脈を局所麻酔して直径1mm程度の管を入れて心臓の血管を直接調べるもので、検査直後より歩行可能です。
カテーテル検査で異常を認めた患者さまには至適薬物療法に加えて、冠動脈インターベンション治療(PCI)すなわち風船で細くなった心臓の血管を広げたり、ロータブレーター(高速回転のドリル) 方向性冠動脈粥腫切除(DCA)で削ったり、心臓の血管の中に金属の網目状の筒(ステント)を入れる治療を行っています。治療後数時間で歩行でき治療後1~2日で退院可能です。
冠動脈治療を応用し、手足の血管や透析シャントのカテーテル治療、不整脈の電気生理検査、カテーテルアブレーション、ループレコーダー、ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)埋込み、心臓再同期療法(CRTD)などを行っています。
高齢化と生活の欧米化により増加している循環器疾患に内服や上記観血的治療に加え、心肺運動負荷試験(CPX)に基づき予後改善効果の期待される心臓リハビリテーションと増加中の心不全の予防と対応の為、多職種チーム介入に取り組んでいます。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100380xxxxxxxx 体液量減少症 23 5.35 10.66 0.00 3.57
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 副傷病なし 17 8.00 10.47 0.00 3.59
040130xx99x0xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2なし 16 7.88 11.18 0.00 2.19
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし - - 3.21 - -
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし - - 5.83 - -
小児科では体液量減少症が多くなっています。その主な疾患は脱水症です。子どもは感染や胃腸炎など脱水の原因となる疾患に罹る機会が多く、病気に罹ると経口的な水分摂取量が少なくなりやすいためです。
次いで、その他の感染症(真菌を除く。) が多くなっています。その主な疾患はRSウイルス感染症です。令和3年度は全国的にRSウイルスの感染爆発が起きました。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 43 5.44 4.74 0.00 73.74
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 31 18.61 15.76 0.00 76.90
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 8.43 7.11 0.00 65.57
060035xx99x8xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-8あり 20 3.55 4.45 0.00 68.75
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 20 17.65 14.93 0.00 70.70
外科では開腹及び腹腔鏡下でヘルニア手術を行った15歳以上の鼠径ヘルニアの疾患が多くなっています。鼠径ヘルニアは一般に約9割が男性で、50歳代以上の方に多くみられる疾患といわれていますが、当院においても93%が男性で97.7%が50歳以上の方となっています。
次いで結腸の悪性腫瘍が多くなり、例年上位の胆石症、胆嚢炎の疾患を上回りました。
外科では消化器系疾患が多く外科全体の86.9%を占めています。従来の一般外科・消化器外科治療に加え3D腹腔鏡下を用いた低侵襲手術に取り組んでいます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 85 63.68 25.32 9.41 84.39
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 48 42.71 19.34 6.25 84.44
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 22 17.14 4.99 0.00 66.73
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 副傷病なし 17 7.18 5.74 0.00 22.06
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 12 54.42 14.64 8.33 74.83
整形外科では大腿骨頸部骨折等の高齢者骨折を始めとした外傷疾患が多く整形外科全体の80%を占めています。
最新の超音波検査を導入し、レントゲンやCT,MRI、筋電図検査などを用いて正確な診断を行い、内服・ブロック・装具等の保存的治療から手術治療そしてリハビリテーションを積極的に行っています。
年齢別では70歳以上の高齢者が多く整形外科全体の78.6%を占めています。
近隣に慢性期・回復期病院が少ないため転院先の受け入れ待ち等で入院期間が長期化する場合があります。また自宅退院も多いため平均在院日数が全国平均を上回っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 15 36.87 15.63 0.00 77.67
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 27.50 18.90 20.00 71.90
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 15.57 - -
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 11.78 - -
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 3.22 - -
脳神経外科では脳血管障害、特に脳梗塞の入院が最も多くなっています。脳保護療法としてエダラボン(ラジカット)を用いた療法を行っています。
次いで脳出血(被殻出血・視床出血)が多くなっています。血腫の増大や再出血を予防するため降圧薬による血圧のコントロールを行います。
血圧コントロールと全身状態が落ち着いてくると早期にリハビリテーションを開始して再発予防に努めています。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 21 4.24 4.92 0.00 65.52
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 17 7.06 6.47 0.00 66.41
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 14 5.64 5.71 0.00 49.43
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 10 11.40 7.09 0.00 67.80
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし - - 8.19 - -
耳鼻咽喉科では急性疾患である末梢性めまいが最も多くなっています。抗めまい剤を投与し安静を保ちます。
次いで多いのは慢性副鼻腔炎です。内視鏡下鼻・副鼻腔手術を行います。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 5.90 3.70 0.00 61.20
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 13.07 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.22 - -
080250xx99x0xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 24.60 - -
080250xx99x1xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2あり - - 32.36 - -
皮膚科では薬物中毒が多くなっています。主な疾患はマムシ咬傷です。
次いで急性膿皮症が多くなっています。急性膿皮症の主な疾患は蜂窩織炎です。高熱を伴い、外来治療では十分な治療を行えない患者さまの入院治療を行っています。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 76 2.00 2.50 0.00 73.29
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 36 8.58 5.56 2.78 67.83
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 36 9.67 7.02 0.00 77.42
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 33 2.42 2.59 3.03 55.58
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 25 11.24 8.23 0.00 75.52
泌尿器科は健康診断などで前立腺癌を疑われて、針生検を受けられる患者さまが多くなっており、泌尿器科全体の18.3%を占めています。この入院は基本1泊2日で施行しております。
次いで上部尿路疾患が多くなっています。適応症例にあわせて体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、経尿道的尿路結石除去術を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 59 - - 20 - - 1 8
大腸癌 16 17 38 58 32 12 1 7,8
乳癌 20 13 - - - - 1 8
肺癌 - - - 51 - - 1 8
肝癌 - - 14 10 14 30 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の5大癌について、初発患者はUICCのTNMから示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を集計しています。
患者数は延患者数で集計しており、一連の治療期間に入退院を繰り返した場合は入退院を繰り返した回数分だけカウントします。

※ UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、
①T:原発巣の大きさと進展度
②N:所属リンパ 節への転移状況
③M:遠隔転移の有無
の3つの要素により各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

当院は、国指定のがん診療連携拠点病院として指定を受けています。兵庫県内には18病院が国指定のがん診療連携拠点病院として指定されていますが、当院は西播磨圏域の拠点病院です。
手術療法、化学療法、放射線療法、緩和療法と集学的な治療を行っています。
疾患別では胃癌はⅠ期、Ⅳ期、大腸癌はⅢ期、Ⅳ期で見つかる割合が高くなっています。
肝癌はラジオ波焼灼治療(RFA)や血管塞栓術(TACE)など局所療法を繰り返し行うことが多く、再発症例数割合が多くなっています。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 50 19.28 82.74
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
成人(20歳以上)の市中肺炎(普段の生活の中でかかる肺炎のことです。)につき重症度別患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しています。
重症度分類はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。
◆A-DROPスコアとは
日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインに掲載されている肺炎重症度分類の定義。
① Age(年齢) 男子70歳以上、女性75歳以上
② Dehydration(脱水) BUN21㎎/dL以上または脱水あり
③ Respiration SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
④ Orientation(意識障害) 意識障害あり
⑤ Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
◆重症度分類
軽症:0点の場合。
中等症:1~2点の場合。
重症:3点の場合。
超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

患者数が多いのは中等症区分です。
平均年齢が70歳以上の年齢層になっており、成人市中肺炎は高齢になるほど重症化し、入院日数も長期化しています。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 51 42.61 76.65 20.00
その他 - - - -
脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しています。
脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化を来した部位に形成された血栓(血の塊)、あるいは心臓で出来た血栓により脳血管が詰まり脳が壊死するものです。
脳梗塞発症から4.5時間を超急性期といい、発症後早期に詰まった血管を再開通させることができると、症状が劇的に改善する可能性があります。

当院では脳梗塞の病期、病型、重症度に応じて、血栓溶解療法や血管内治療、保存的治療を行っています。
脳梗塞を発症してから3日以内に治療を行っている患者さまが全体の85.0%を占めています。
平均年齢は76.8歳で高齢者の方が多くなっています。1.5か月程度の入院期間で治療とリハビリを行います。
脳卒中地域連携パスを使用し、地域の医療機関と連携をとりながら退院調整を行っています。

※患者数が10未満の数値の場合は-(ハイフン)を入力しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 10 4.90 11.90 0.00 65.60
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K6105 動脈形成術(その他の動脈) - - - - -
内科では腎臓疾患の患者さまが多く、人工腎臓導入に対して行う内シャント造設術が多くなっています。
平成29年8月にオープンした透析センター(透析ベット40床)では地域中核病院の維持透析センターとして透析管理を行っています。
血液透析、腹膜透析いずれの透析療法も当センターで行うことができ、それまで保存期診療を担当した内科医師とともに自分に合った透析療法を選択できるようサポートしています。
次いで腹膜透析導入に対して行う連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術となっています。

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呼吸器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 - - - - -
K508-22 気管・気管支ステント留置術(軟性鏡) - - - - -
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 - - - - -
K639-3 腹腔鏡下汎発性腹膜炎手術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
呼吸器科では肺癌の治療方針を決定するために病巣部分を切除して遺伝子採取を行っています。

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消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 335 0.45 1.39 0.00 69.42
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 46 0.98 8.24 0.00 74.93
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 44 3.30 18.89 4.55 80.39
K654 内視鏡的消化管止血術 33 0.85 14.27 0.00 76.42
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 26 0.08 1.69 0.00 65.00
消化器内科では大腸腺腫、大腸ポリープに対して行う内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなっています。
近年外来でも施術可能な手術となってきていますが、当院は安全に行うことを目的に1泊2日の入院で行っています。
次いで早期胃癌に対する内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術となっています。
地域の中核病院として消化器全般の最先端治療を目指しています。特に消化管の内視鏡治療、肝癌の集学的治療に力点を置いています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 39 2.28 5.28 0.00 69.67
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 34 6.15 6.74 2.94 72.56
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 32 6.41 15.81 3.13 82.94
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 32 3.13 5.03 3.13 73.38
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 30 0.97 1.90 3.33 73.13
循環器科では頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術が多くなっています。
カテーテルと呼ばれる細い管を血管内を通して心臓の内腔まで送り込み、不整脈を起こしている心筋の異常部位を高周波電流で灼き切る治療です。頻脈性不整脈において心拍数が過度に増加し、動悸や胸部不快感、失神に至る場合、薬物治療で効果がみられないときには、カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)治療を行ないます。
次いで狭心症に対する予定の経皮的冠動脈ステント留置術(K5493)が多くなっています。
カテーテル検査で異常を認めた患者さまに心臓カテーテル治療(風船治療-PCI)で細くなった心臓の血管を広げたり、ロータブレーター(高速回転のドリル)で削ったり、心臓の血管の中に金属の網目状の筒(ステント)を入れる治療を行っています。治療後数時間で歩行でき1~2日で退院可能です。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 42 0.90 6.98 0.00 65.24
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 37 3.78 17.05 2.70 75.84
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 31 0.97 3.68 0.00 71.29
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 19 0.05 2.32 0.00 73.68
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 16 1.63 5.00 0.00 67.25
外科では胆のう炎や胆のう結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が多くなっています。
結腸は盲腸部から直腸上部までの腸管を指します。結腸にできた大腸腫瘍は部位別に盲腸腫瘍、上行結腸腫瘍、横行結腸腫瘍、下行結腸腫瘍、S状結腸腫瘍に分かれます。最近では腹腔鏡下大腸手術が広く行われるようになり、当院も2番目に多い手術となっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 74 3.64 54.54 9.46 80.78
K0811 人工骨頭挿入術(股) 31 4.81 51.97 6.45 79.74
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 30 3.43 24.37 0.00 61.07
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 13 2.00 19.08 0.00 62.69
K0821 人工関節置換術(膝) 11 2.45 43.73 0.00 74.82
整形外科では高齢者の大腿骨頚部骨折に対する骨折観血的手術を多く行っています。また同疾患で骨頭部分が破壊され温存できない場合は人工骨頭挿入術を行っています。
次いで前腕、下腿骨に対する骨折観血的手術となっています。
手術後の回復にはリハビリテーションが重要となるため術後の平均日数が他科に比べ長くなっています。
高齢者の骨折に対しては、内科医、麻酔科医師と検討し積極的に手術療法を行って早期離床ができるように努めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
脳神経外科では慢性硬膜下血腫に対して行う慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が多くなっています。
以前は全身麻酔下に大開頭・被膜摘出術が行われていましたが、現在は石灰化した慢性硬膜下血腫など特殊例以外には大開頭術は行われていません。
通常の慢性硬膜下血腫に対しては一般に穿頭による閉鎖式血腫ドレナージあるいは穿頭に加えて血腫排液・血腫腔内洗浄術を行うのが主流です。

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耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 12 1.00 5.42 0.00 64.50
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 - - - - -
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K4611 甲状腺腫摘出術(片葉) - - - - -
慢性副鼻腔炎に対する手術は1990年代初めに内視鏡を用いる内視鏡下副鼻腔手術が導入され大きく変革しました。当院の耳鼻科でも内視鏡下鼻・副鼻腔手術が多く行われています。

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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 36 1.56 6.14 2.78 68.19
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 33 0.09 1.15 3.03 56.79
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 20 0.25 7.00 5.00 67.50
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 20 2.10 7.45 0.00 78.10
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 19 1.21 6.68 0.00 76.26
泌尿器科では腎結石や尿管結石に対して行う経尿道的尿路結石除去術、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術が多くなっています。
次いで尿管結石、腎盂腎炎で尿管狭窄のある患者さまに経尿道的尿管ステント留置術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.29
180010 敗血症 同一 15 0.31
異なる 25 0.51
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 57 1.17
異なる - -
播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・術後の合併症の患者数と発生率を集計しています。
医療の質の改善に資するため、臨床上少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発症率を示したものです。
「入院契機」で入院の原因となった病気がもとで感染症や合併症を発症した場合を「同一」、入院の原因とは異なって感染症や合併症を「異なる」としています。

○播種性血管内凝固
 感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。
○敗血症
 感染症などによって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。
○真菌症
 真菌による感染症です。
◇手術・処置などの合併症
 手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などがあげられます。
 合併症は、どのような術式でもどのような患者さまでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

当院においては入院契機と同一病名の症例が少なく、免疫力が低下している時に合併して発症するケースが多いことがわかります。
手術・処置等の合併症については合併症を主訴として入院されていることがわかります。

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更新履歴
2022年9月30日
令和3年度病院指標を公開しました。
過去のデータ
2015年度DPCデータ

2016年度DPCデータ

2017年度DPCデータ

2018年度DPCデータ

2019年度DPCデータ

2020年度DPCデータ