赤穂市民病院

トピックス

スポーツ外来

膝周囲骨切り術について

膝周囲骨切り術とは何か?

O脚やX脚などの変形した膝関節に対して、膝の周囲の骨(大腿骨や脛骨)を切り、矯正する手術です。この手術では、残っている正常な軟骨に体重がかかるように調整します。自身の膝関節は温存し、骨を切った後は金属のプレートで骨を固定します。骨癒合した後は抜釘手術を行い、特に生活上の制限はなく、スポーツや趣味、職場復帰が可能です。

膝周囲骨切り術が必要な方々

変形性膝関節症は関節のクッションである関節軟骨や半月板が加齢や筋肉量の低下によってすり減り、痛みを引き起こす疾患です。変形性膝関節症は時間をかけて進行する傾向がありますが、以下のような方々では急速に進行する可能性があります。

  • ・O脚、X脚の変形が正常範囲を逸脱している方
  • ・MRI検査で半月板に後根断裂や横断裂により半月板が関節内より逸脱している方
  • ・MRI検査で骨髄浮腫を認める方

これらの症状は病院での詳細な検査によってわかることです。膝に強い痛みが続き、水が溜まってなかなか引かない場合は検査をおすすめします。

手術適応

膝周囲骨切り術が可能な患者は以下の通りです。年齢の制限はありません。

膝の関節可動域に大きな制限がない方(膝がよく曲げ伸ばしできる方)

術後のリハビリが適切にできる方

骨粗鬆症が悪化していない方 (変形性膝関節症が進み、関節の変形が進んでしまっている方は人工関節置換術が適応となります。)

術後のリハビリテーション

骨切り術を施行した場合は骨切り部にストレスをかけないように、しばらく制限が必要です。術後2週間程度は膝装具(ニーブレス)で固定し、術後1か月程度かけて段階的に荷重をかけていきます。

半月板損傷について

半月板とは

膝の内側と外側の骨の間にある三日月状の軟骨組織であり、膝のクッションや安定化の役割を果たしています。半月板は外傷や加齢によって損傷することがあり、これが原因で痛みや動作制限を生じることがあります。

半月板損傷の症状

荷重時や屈伸時に痛みを引き起こす他、膝関節内に水や血液がたまることもあります。特に膝関節に引っ掛かりが生じ、膝を伸ばせなくなる場合、手術が必要となることがあります。

半月板損傷の検査

・レントゲン検査

半月板は軟骨組織であり、レントゲン検査では映らないが、半月板の損傷によって変形性膝関節症が進行しているかどうかを確認できます。

・MRI検査

半月板の損傷を診断するために必要な検査です。MRI検査により半月板の損傷箇所や程度がわかります。

MRI検査とは

手術加療

手術は関節鏡下で行われます。半月板の部分切除術または縫合術が行われます。手術切開は関節鏡と手術器具を挿入するための小さな1cm程度の切開で行われます。手術時間は30分から1時間程度ですが、関節内の他の処置が必要な場合はさらに時間がかかることがあります。

術後のリハビリテーション

半月板縫合術を受けた場合は縫合した部分にストレスをかけないように、しばらくの間制限が必要です。術後2週間程度は膝装具(ニーブレス)で固定し、術後1か月程度かけて段階的に荷重をかけていきます。一方、半月板切除術を受けた場合は、術後の装具や固定は必要ありません。疼痛に応じて荷重を行えます。

肩腱板断裂について

腱板とは

肩関節の中に肩甲骨から上腕骨頭を取り囲むように、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋といった四つの筋肉が存在します。これらを総称して腱板と呼び、上肢の運動の際に肩関節を安定化させる役割があります。

腱板断裂とは

腱板は老化が進むと脆弱性が増し、日常生活での軽い負荷などでも断裂する危険性があります。また、テニス、野球、バレーボールなどのオーバーヘッドスポーツをしている方や、重量物などを上げ下ろしする職業に就いている方など、肩を酷使することでも断裂を生じます。

腱板断裂の検査

・レントゲン検査

腱板は筋肉組織のためレントゲン検査では映りませんが、腱板断裂によりどの程度変形性肩関節症が進行しているか確認することができます。

・MRI検査

腱板断裂を診断する上で必要な検査となります。(MRI検査とは) MRI検査により腱板断裂の損傷形体や損傷部位がわかります

腱板断裂の治療

・保存加療

残念ながら断裂した腱板断裂が自然に修復されることはありません。鎮痛薬の内服や肩関節内への注射などにより疼痛のコントロールを行います。さらにリハビリテーションにて肩関節拘縮などが進行しないように可動域訓練を行い、挙上機能を復活させるため残存した腱板の筋力訓練などを行います。

・手術加療

保存加療により疼痛が改善しない場合や機能が改善しない場合には手術加療を行います。腱板断裂の部位や大きさにより手術方法を選択します。

・関節鏡下腱板縫合術

断裂サイズが小さい場合に施行致します。肩関節周囲に直径1cm程度の穴を数か所空け、関節鏡を使用して縫合する手術となります。手術時間は1~2時間程度要します。

・直視下腱板縫合術

断裂サイズが中~大きい場合に施行致します。肩前方に4~6cm程度の切開を用いて、断裂した腱板を骨に再逢着する手術となります。

・リバース型人工肩関節置換術(Reverse Shoulder Arthroplasty:RSA)

腱板が切れて長時間経過するなど、筋の萎縮がひどい場合、断裂した腱板の被覆が期待できない場合があります。その場合、肩の機能を改善するためにはRSA手術を施行致します。RSAは腱板断裂に対する最終手段です。RSAは日本整形外科学会の定めるガイドラインに既定された要件を満たした医師にしか執刀できない高度な治療法で、当院はRSA認定病院です。

術後のリハビリテーション

術後は縫合した部分にストレスがかからないように、装具を着用致します。装具着用期間は4週~6週程度です。着用する装具の種類や期間は断裂のサイズや手術方法により変わります。

反復性肩関節脱臼について

反復性肩関節脱臼とは

一度大きな怪我により肩を脱臼した方が、その後脱臼を繰り返してしまう、いわゆる「脱臼ぐせ」のことです。初回は大きなエネルギーにより肩関節は脱臼しますが、脱臼の際に肩を支えている靱帯や骨に損傷が及び、支持組織が弱くなります。脱臼を繰り返す度にこれらの組織は損傷を繰り返し、損傷部位が大きくなっていきます。最終的には、腕を挙げたりくしゃみをしただけで外れる程抜けやすくなります。

反復性肩関節脱臼の検査

・レントゲン検査

上腕骨頭が脱臼位にあるか確認できます。整復後にも再度検査致します。

・CT検査

繰り返す脱臼による受け皿(肩甲骨関節窩)の骨欠損(骨性Bankart病変)や上腕骨骨頭の骨欠損(Hill-Sachs病変)の程度を確認致します。(CT検査とは

・MRI検査

繰り返す脱臼による、靱帯・関節唇・腱板の損傷の程度を評価するため必要な検査です。 (MRI検査とは

反復性肩関節脱臼の治療

・保存加療

装具固定やリハビリテーションなどの保存加療では、その後の脱臼を防ぐのは難しいと言われております。2回以上脱臼を繰り返す場合は手術加療をお勧め致します。

・手術加療

手術を受ける患者さんの年齢やスポーツなど背景と、骨欠損部の程度により手術方法を検討致します。

・Bankart修復術

骨欠損の程度が少ない若年者やオーバーヘッドスポーツ競技者が対象です。肩関節周囲に直径1cm程度の穴を数か所空け、関節鏡を使用して縫合する手術となります。手術時間は1時間程度要します。

・Bankart+Bristow法

骨欠損の大きい若年者対象です。上記のBankart修復術に加え、肩甲骨にある烏口突起の先端1cmを、付着している上腕二頭筋腱短頭をつけたまま、関節窩の前方に移植して、ボルトで固定します。

・Putti-Platt法(Nobuhara Hospital法:N-H法)

高齢者やコンタクトスポーツ競技者が対象です。上記の手術方法に比べ、術後の外旋可動域が少し硬くなりますが、肩の固定性は上がります。こちらは関節鏡を使用せずに、直視下に行います。肩の前方に4cm程度の切開を用いて手術します。肩関節の前方を支えている前方関節包と肩甲下筋を一度切開し、縫縮する手術となります。

術後のリハビリテーション

術後は縫合した部分にストレスがかからないように、装具を着用致します。装具着用期間は4週~6週程度です。着用する装具の種類や期間は断裂のサイズや手術方法により変わります。

前十字靭帯損傷について

前十字靭帯損傷とは

前十字靭帯とは膝の関節の中にある靱帯で、脛骨(すねの骨)が前方へずれないようにしたり、膝のねじれを制御したりする役割があります。前十字靭帯損傷はスポーツで受傷することが多いです。走っている時の急激な切り替えし動作や、ジャンプの着地の際に膝を捻ることで受傷します。また、コンタクトスポーツで接触して受傷することもあります。

受傷直後はブチッという鈍い断裂音(ポッピング音)が聞こえることがあり、激しい疼痛を認めます。その後、関節内に血種の貯留を認めます。 受傷後数週で、関節内の血種は再吸収され、歩行ができる程度にはなります。しかし、損傷した靱帯が治ったわけではありません。一度損傷して緩んでしまった靱帯が自然に治癒することはありません。

前十字靭帯損傷後の膝

前十字靱帯は膝の安定性を保つために非常に重要な役割を担っています。そのため、前十字靱帯を損傷したまま放置しておくと、膝の緩みが残った状態になります。

膝の緩みが残った場合、本来のパフォーマンスでスポーツをすることが難しくなったり、日常生活でも変形性膝関節症の進行のリスクが上昇します。 膝関節内の半月板という組織の損傷リスクも上昇します。(半月板損傷について

これらの合併症を予防するためには、前十字靭帯を再建する手術が必要です。

前十字靭帯損傷の検査

・レントゲン検査

前十字靱帯は線維組織のためレントゲン検査では映りませんが、前十字靭帯損傷によりどの程度変形性膝関節症が進行しているか確認することができます。

・MRI検査

前十字靱帯損傷を診断する上で必要な検査となります。(MRI検査とは)MRI検査により靱帯損傷以外に、軟骨損傷や半月板損傷の損傷形体や損傷部位がわかります。

前十字靭帯損傷の治療:関節鏡下前十字靱帯再建術

前十字靭帯損傷の手術は、関節鏡を用いて手術を行います。患者さん自身の腱を使用して傷んだ靱帯の代わりとなる移植腱を作成し、それを前十字靱帯がもともとあった場所に移植する手術(再建術)です。関節鏡を用いることで、手術創を小さくできたり、関節内の半月板や軟骨、靱帯などを拡大視したりすることが可能です。

ポータルと呼ばれる 関節鏡と操作器具を挿入する1.5cm程度の傷が3か所と、移植腱を採取する3-4cm程度の傷が1か所できます。半月板損傷を合併した場合、縫合術をするため、追加で傷ができることもあります。

前十字靭帯損傷の術後

術後1か月程かけて、移植した腱が抜けないように装具で固定し、段階的に荷重をかけていきます。術後2か月目は、膝に負荷がかからない程度で、日常生活に慣れて頂きます。

術後3か月経過すると、小走り程度は可能となります。術後半年程度で、平地のダッシュ。 術後9か月でジャンプ動作や、切り返し動作の訓練を行います。手術から10か月以上経過してからスポーツへ復帰することを推奨しています。