内科専攻医プログラム概要
赤穂市民病院とは
兵庫県西播磨医療圏の地域中核急性期病院。23診療科を標榜し、内科領域のほぼ全疾患群の診療を担う。救急医療からサブスペシャリティー領域の高度・先進医療、在宅医療、総合診療などの領域も幅広く研修可能である。
症例を断片的に経験するのではなく、一人の患者さんについて初診(外来・救急)から入院、さらに退院(地域連携)から通院、在宅治療までを包括的に経験できることが特色である。
さらに、初期・後期研修医にはできるだけ多くの学会、研究会発表を経験できるような研修を行っている。
赤穂市民病院 内科専門医プログラムの特徴
その1 内科領域のほぼ全疾患群の経験が可能
内科・循環器科・消化器内科の3科をローテーションし、内科専門医J-Oslarに登録が必要な疾患群をほぼ網羅することができます。
M医師の研修実績 10カ月間で106名の担当患者
分類 | 疾患 | 分類 | 疾患 |
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腎臓 | AKI | 消化器 | 便秘、糞便イレウス |
透析導入 | 急性腹症 | ||
緊急透析 | 消化管出血 | ||
シャント不全 | 感染性腸炎 | ||
PD腹膜炎 | 虚血性腸炎 | ||
CRA症候群 | 大腸癌 | ||
CKD教育 | 腫瘍熱 | ||
IgA腎症 | 神経 | NPH | |
ネフローゼ症候群 | GBS、CIDP | ||
マムシ | 痙攣 | ||
尿管癌 | RLS | ||
電解質異常 | 下垂体卒中 | ||
呼吸器 | 誤嚥性肺炎 | 循環器 | SSS |
細菌性肺炎 | 心不全 | ||
気管支炎 | ACS | ||
膿胸 | その他 | 老衰 | |
COPD | 食思不振 | ||
肺胞蛋白症 | 薬疹 | ||
肺がん | 発疹 | ||
過換気 | 膠原病 | 関節リウマチ | |
糖尿病 | 教育入院 | PMR | |
糖尿病腎症 | MPA | ||
乳酸アシドーシス | Sweet病 | ||
高齢者自己注射困難例 | 血液 | 急性骨髄性白血病 | |
低血糖 | 血小板減少症 | ||
高血糖緊急症 | 内分泌 | 甲状腺癌 | |
感染症 | SFTS | ||
敗血症 | |||
扁桃炎 | |||
尿路感染 | |||
髄膜炎、脳炎 | |||
蜂窩織炎 |
M医師
- うしろで見るのではなく、自らがフィードバックをもらいながらマネジメントできるので、毎日実力が上がる感覚がありました。
- 当直回数 月平均2~3回
- 休日はエコー講習会や地域の勉強会への参加など学会発表、case report(英文)論文を投稿しました。
その2 自由度の高いカリキュラム選択
希望によりサブスペシャリティーを重視したローテーションを組むことも可能です。
また、1-2年間を通して 内視鏡検査、CAG、アブレーションなどを継続的に経験したいという希望にも対応することができます。
循環器科志望のW医師のプログラム
(1年次 消化器科、内科ローテーション中にもスキルアップのために心カテなどに参加しました)
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
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1年次 | 循環器科 | 消化器内科 | 内科 | |||||||||
2年次 | 循環器科 | |||||||||||
3年次 | 連携病院研修 |
その3 幅広いセッティングでの診療
救急医療からサブスペシャリティー領域の高度先進医療、在宅医療、総合診療などの領域も幅広く研修可能。
ER
内科専攻医研修が目指すこと
1.内科疾患全般についての診断・治療
循環器・消化器内科以外の内科系疾患について担当しており、領域を超えて幅広く包括的な医療を実践できることを目指しています。
常に最新の医学知識を得るため、定期的な勉強会や研究会を開いており、New England Journal of Medicineなどの抄読会も実施しています。
担当症例のClinical QuestionについてUp-to-Dateや文献を検索し、発表、ディスカッションできる力を身につけるような研修をしています。
興味ある症例について積極的に学会発表や論文投稿するための指導、支援をします。
2.糖尿病、代謝内分泌疾患など生活習慣病のマネージメント
糖尿病専門医2名と多職種による「糖尿病療養チーム」を中心に糖尿病専門医を目指す専攻医へ最適な研修環境を提供します。
インスリンやGLP-1アナログ製剤などの使用例も多く、CSIIやSAP療法、CGMSやFGMといった最先端の糖尿病治療を速やかに導入しています。
糖尿病は全身病であり、糖尿病を通して眼科、循環器科、脳神経外科、歯科口腔外科など他科の診療への理解を深めることもできます。
糖尿病合併症の診断や治療を学び、特に糖尿病腎症に関しては、早期腎症から末期腎不全に対する透析治療までシームレスな診療が経験できます。
教育入院や1型糖尿病患児キャンプへの参加により、患者やスタッフ教育のリーダー的存在になるための研修をすることができます。
糖尿病チーム会
3.腎臓病の診断治療、保存期腎不全から透析医療までのトータルケア
腎臓病の早期発見、早期治療を目指し、腎生検の手技もできるように指導します。
腎炎・ネフローゼ症候群・急性腎不全・慢性腎不全などについての診断、治療など経験します。
また、2017年8月にオープンした新・透析センター(透析ベット40床)では地域中核病院の維持透析センターとして約100名の透析管理を行っており 血液透析、腹膜透析いずれの透析療法についても導入、維持、合併症管理ができるように研修します。
さらに、HCUでのCHDFや血漿交換療法、血液吸着療法など救急医療や他科疾患治療に必要な血液浄化療法などを担当しています。
急性血液浄化の際のブラッドアクセス挿入などの件数も豊富であり、十分に経験することができます。
診療部長兼内科部長 高原典子
透析センター
内科専門研修 週間スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土・日 | |
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午前 | 毎朝8:30~モーニングカンファレンス | 担当患者の 病態に応じた診療/ オンコール/ 日当直/ 講演会・学会参加など | ||||
入院診療 | 透析回診 | 外来診療 | 救急外来 | 腹部エコー 検査 | ||
午後 | 糖尿病 チームカンファレンス | 入院診療 | 腎生検など | 入院診療 | 救急/ 糖尿病教育 入院講義 | |
内科勉強会 英語抄読会 | 消化器内科・外科・麻酔科 合同カンファレンス | 内科 症例検討会 | 透析 カンファレンス | 研修医勉強会(隔週) | ||
担当患者の病態に応じた診療/オンコール/当直など |
消化器病・消化器内視鏡専門医を目指しての専攻医研修
消化器内科は対象臓器が多岐にわたります。後期研修のあいだは、まず領域を限定せず満遍なく研修をしてもらい「消化器内科医としての基礎」を十分に習得していただきます。
消化管領域では、上部内視鏡のスクリーニング検査から開始し、習熟度に応じて下部内視鏡検査、ポリペクトミーなどの内視鏡的粘膜切除術へと進んでもらいます。当科は上部・下部内視鏡合わせて約6500例以上の内視鏡検査件数があり、十分な症例数を経験することができます。また緊急疾患も多く、出血性胃潰瘍に対する止血術や食道静脈瘤破裂に対する内視鏡的静脈瘤結紮術、腸閉塞に対するイレウス管挿入、消化管ステント挿入術など消化器内科医としての必須手技を学べます。もちろん内視鏡手技以外にも切除不能進行癌患者の化学療法や炎症性腸疾患の治療についても経験できます。
肝臓領域は、急性肝炎から肝細胞癌に至るまで、多岐に渡る疾患を対象にしていますが、特に肝細胞癌に対する集学的治療を積極的に行っておりRFAや肝動脈塞栓術も術者として経験できます。
胆膵領域では、ERCPや超音波内視鏡など様々な内視鏡治療が行われています。これらは内視鏡手技の中でも難易度が高いとされており、後期研修ではまず助手から経験を積んでもらい、習熟度に応じて術者になってもらいます。急性胆管炎に対する緊急胆道ドレナージ、ステント留置などを指導者がいなくてもできるようになることが目標です。
当院は平成29年に新棟をオープンし内視鏡室も内視鏡センターとして生まれ変わりました。検査室は広く、処置室では全身麻酔も可能です。専用のX線透視室があり、内視鏡はオリンパス社とVPP契約し最新の機種が使用可能です。当科は地方病院であっても「大学病院並みの医療を地域住民に提供すること」を目標に日々頑張っております。当院で消化器内科を専門領域とした内科後期研修を受けることをお勧めします。
副院長兼診療部長兼消化器内科部長 髙尾雄二郎
消化器科専門研修 週間スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土・日 | |
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午前 | 入院患者診療 | 担当患者の 病態に応じた診療/ オンコール/ 日当直/ 講演会・学会参加など | ||||
上部内視鏡 検査 | 腹部エコー | 外来患者診療 | 上部内視鏡 検査 腹部エコー ERCP EVS | 上部内視鏡 検査 | ||
午後 | 下部内視鏡 検査 TACE EUS ESD | 下部内視鏡 検査 ESD | 救急患者診療 | 下部内視鏡 検査 ERCP RFA 肝生検 | 下部内視鏡 検査 | |
消化器内科・ 外科・麻酔科 合同カンファレンス | 消化器内科 症例検討会 | 研修医勉強会(隔週) | ||||
担当患者の病態に応じた診療/オンコール/当直など |
若返ったスタッフで循環器診療を深めましょう!
「疾病予防から最新循環器治療まですべてを赤穂で」
循環器科は、ご存じのように内科系の中で特に心臓と血管の疾患を扱う診療科です。初期研修時から急性心筋梗塞や致死的な不整脈から呼吸困難に陥り呼吸・重症管理を急いだ心不全などに体を張った医師らの姿を見てこられたでしょう。内科の一部ではありながら、経皮的インターベンションやアブレーション治療、ペースメーカー、心再同期・除細動器の植え込みなど、観血的処置があるのが当科の特徴ですので、“その道”を目指す為の各サブスペシャリティー分野の専門医を揃えております。また毎日のカンファレンスで情報共有し、心臓血管外科医師と垣根の低い協議をしながら、患者さま一人一人に将来を見据えた最適な治療を選ぶよう心がけています。
当科のモットーは「正しいこと、いつも新しいことを探しチャレンジすること」と考えており、本年はスタッフの入れ替わりで大いに若返り、専門医を目指す先生方とも世代ギャップ少なく医師個々の知識や技術をさらに高める努力をしております。各種の動脈硬化デバルキングデバイスや、心房細動への冷凍アブレーション、リードレスペースメーカ、皮下埋め込み除細動器など、認定施設での日進月歩の最新医療を継続するに若い力は不可欠です。
一方で「循環器医である前に内科医である」「人は血管とともに老いる」を心に秘め、即刻命にかかわる非常に重篤な病態の管理から、高血圧や高コレステロール血症、さらに睡眠時無呼吸症候群など慢性でいつの間にか大病の原因となる疾患群や、心疾患の終末像たる心不全には心不全カンファレンスや心臓リハビリ等の多職種チームとともに守備範囲としています。当院の規模ではそれらの基礎的理解を基に、さらに代謝、内分泌、腎臓など他の内科領域と総合内科的視点を共有出来るのが理想です。
超高齢化社会で、禁煙、生活習慣病に対するかかりつけ医師との共同管理から、重篤で緊急を要する心臓病とその結果繰り返す心不全の患者さままで、すべてが赤穂で完結できるようにするのが我々の目標です。
上記の対応のため、日中の外来はもちろん夜間でも緊急の患者さまの診察に毎日24時間体制で待機しており、スタッフ医師のバックアップの元に専門医プログラムの先生方にも存分にやりがいを持って役割を担っていただけます。
来たれ 若き内科医諸君!
診療部長兼循環器内科部長 大橋佳隆
循環器科専門研修 週間スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土・日 | |
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午前 | 循環器科心臓血管外科朝カンファレンス、HCU回診 | 担当患者の病態に 応じた診療/ オンコール/ 日当直/ 講演会・学会参加など | ||||
入院患者診療 | 入院患者診療 | 入院患者診療 | 入院患者診療 | 入院患者診療 | ||
外来患者診療 | 外来患者診療 | 心臓カテーテル治療 ペースメーカー等 | 心臓カ テーテル治療 心臓血管 外科手術 | カテーテル アブレーション | ||
ペースメーカー手術 | RI検査 | |||||
午後 | 入院患者診療 | 入院患者診療 | 心臓 カテーテル | 心臓血管 外科手術 | カテーテル アブレーション | |
虚血 カンファレンス | 経食道エコー | |||||
抄読会 WEB講演会 | 講演会 CPCなど | 循環器科 心臓血管外科 合同カンファレンス | 不整脈 カンファレンス | |||
心臓リハビリ カンファレンス | アブレーション・EPS 研討会 | |||||
担当患者の病態に応じた診療/オンコール/当直など |
内科専門医を目指す女性医師を応援します!
- 赤穂市は待機児童ゼロ
- 病院敷地内に託児所完備
- 病児保育室を院内に完備(ベテラン看護師が預かってくれます)
- 子育て中の内科専門医、指導医がメンターに
- 数組の医師カップルが共に勤務
- 当直明けは基本的に業務免除
- 就学前児童がいる場合、育児短時間勤務制度あり
- 学会発表、論文作成 etc キャリアアップも支援します
託児所は病院に併設
病児保育はベテランNsにおまかせ
〒678-0232
兵庫県赤穂市中広1090番地
赤穂市民病院 総務課
TEL 0791-43-3222(代表)
FAX 0791-43-0351
Email:soumu@amh.ako.hyogo.jp