赤穂市民病院

感染対策指針

医療関連感染対策指針

赤穂市民病院
感染防止対策委員会
ICT(感染制御チーム)
AST(抗菌薬適正使用支援チーム)
平成30年4月 改訂
令和5年10月 改訂

1.目的

赤穂市民病院は、感染の予防・再発防止対策および発生時の適切な対応など感染対策体制を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的として、感染防止対策委員会(以下、「ICC」という)および感染対策室【感染制御チーム(以下、「ICT」という)、抗菌薬適正使用支援チーム(以下、「AST」という)】を設置します。

2.基本的な考え方

  • 感染対策は、病院内においては、医療行為に対し必然的に起こりうる患者・職員への感染症の伝播リスクを最小化するとの視点に立ち、すべての患者が感染症を保持し、かつ感染のリスクを併せ持つと考えて対処する「標準予防策」にあわせて「感染経路別予防策」を実施します。また、個々の情報および病院内外の感染症情報を広く共有して医療関連感染の危険および発生に迅速に対応します。
  • 医療関連感染の発生時には、速やかに対応して、発生要因となる感染対策システム上の不備や不十分な点に着目し、その原因を究明し、これを改善します。
  • 医療関連感染対策活動の必要性、重要性を全職員に周知徹底し、共通の課題として積極的な取り組みを行います。
  • 新興感染症が出現した際には、兵庫県の要請に基づき患者を受け入れ、社会や地域医療に貢献します。

3.ICC、ICT・ASTに関する基本的事項

  • ICCは病院長を委員長とし、関係各部門の責任者および感染管理担当者など病院長が必要と認めた者により構成します。毎月1回開催し、感染管理に関わる事項を審議します。
  • ICT・ASTは、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師などの職員により構成し、ICCの下部組織として感染に関する問題点を把握し、改善策を講じるなど、病院内での感染対策活動の中核的な役割を担います。
  • ICTは、毎月1回定例会議を開催し、感染対策に関する事項を協議します。ASTは、毎週1回ラウンドを行い、抗菌薬の適正使用に関する事項を協議します。感染管理において重大な問題が発生した場合、その状況および対策などを病院長に報告すると共に対応策を実施します。さらに、必要と認める時には、臨時会議を開催できます。
  • ICT・ASTは、医療関連感染に関し、事案解決のための方策を策定します。また、ICT・ASTが必要と認める時は、ICT・ASTメンバー以外のものから意見を聴取し、さらには、資料の提出を求めることができます。
  • ICTの所掌業務は、次のとおりとします。
    (1)医療関連感染の発生を未然に防止する予防対策に関すること。
    (2)医療関連感染が発生した場合における緊急対策に関すること。
    (3)医療関連感染に関連し、職員の健康管理に関すること。
    (4)医療関連感染防止のために必要な職員教育に関すること。
    (5)感染拡大防止の具体的な対策など相談に関すること。
    (6)職業感染対策に関すること。
    (7)アウトブレイク時の院内体制に関すること。
    (8)マニュアルの整備、見直しに関すること。
    (9)地域連携に関すること。
    (10)その他必要と認めた事項。
  • ASTの所掌業務、次のとおりとする。
    (1)感染症治療薬の早期モニタリングと主治医へのフィードバックに関すること。
    (2)微生物検査・臨床検査の利用の適正化に関すること。
    (3)抗菌薬適正使用に係る評価に関すること。
    (4)抗菌薬適正使用の教育、啓発に関すること。
    (5)感染症診療の各種コンサルテーションに関すること。

4.医療関連感染対策のための職員研修に関する基本方針

  • ICT・ASTは、全職員対象の研修会を年に2回以上開催します。
  • ICT・ASTは必要と認めた場合には、個別に、部署ごとに、さらに全職員対象に研修会を開催します。
  • ICT・ASTは、感染対策を目的とした各種学会、研修会、講習会などの開催情報を広く周知し、新しい知見を受ける機会を支援します。

5.感染症の発生状況の報告に関する基本方針

  • 医療関連感染とは、①入院などの患者が原疾患とは別に、新たに病院内で罹患した感染症、②職員が病院内で罹患した感染症のことです。
  • ICT・ASTは毎週院内ラウンドを行い、リスク事例の把握、評価、周知、対策、指導を行います。
  • ICT・ASTは、病院内の細菌検査結果から、微生物検出の状況を把握すると共に、ICCに報告します。

6.医療関連感染発生時の対応に関する基本方針

  • 職員は、医療関連感染を疑われる事例が発生した場合には、ICT・ASTに報告します。ICT・ASTは詳細を把握すると共に、その対策を行います。
  • 新たに発生する感染症、指定感染症などについては、事前に対策方針を策定します。

7.本指針の閲覧に関する基本方針

  • 本指針は、院内LANにて公開し、全職員が閲覧できるようにします。
  • 本指針は、病院ホームページにて公開します。

8.その他

  • 職員に医療関連感染対策を周知するため、別に定めたマニュアルを院内LANにて公開します。
  • 職員は、マニュアルに基づいて感染対策を実施します。
  • 職員は、感染対策において疑義がある場合は、ICT・ASTに意見を求めることができます。