赤穂市民病院

形成外科

診療予定

形成外科
午前柏木

診療内容の概要

形成外科は「主に体表面を中心とする変形・醜形に対し、主として外科的手段(手術)を用いて機能及び形態をできるだけ正常に近づける」事を仕事にしています。形成外科は「見た目」と「はたらき」の両面のバランスを考えながら治療しているわけです。「体表外科」の要素が強く、外から見て具合が悪ければすべて形成外科で診察していますが、皮膚だけでなく、具合の悪い原因がその下の筋肉や骨にあるのならそれも形成外科で治療を行います。

「変形・醜形」ができる原因は大きくわけて3つあり、1つめは外傷(けが)、2つめは腫瘍(できもの)、3つめは先天異常(生まれつき)です。

1つめの外傷ですが、擦り傷、切り傷、やけどなど皮膚の傷はもちろん、顔や指の骨折を伴う外傷も手術しています。また、これらのけがをした後のきずあと、ひきつれ(瘢痕、瘢痕拘縮)も手術で改善します。その他、正確にはけがではありませんが床ずれ(褥瘡)や陥入爪(巻き爪)、手術後・外傷後などのケロイド・肥厚性瘢痕、血のめぐりが悪くなってできてしまった皮膚潰瘍なども治療しています。

2つめの腫瘍ですが、小さなあざ・ほくろ(母斑)、いぼ、こぶはもちろん、皮膚がんも治療しています。ただ、当院で取り扱っていないレーザーでの治療が最適であると考えられる「明らかに良性と考えられるほくろ・あざ」は他施設を紹介することがあります。その他皮膚以外のがんでも切除した後に大きな欠損ができてしまうようであれば、形成外科が生じた欠損を補う手術を行います。乳がん手術後の乳房形成はその代表例です。

3つめの先天異常ですが、眼瞼下垂、眼瞼内反症などまぶたの異常、小耳症、副耳、埋没耳、折れ耳など耳介の異常、唇裂、口蓋裂など口の異常、多指症・合指症など指の異常、その他にはでべそ、包茎など形成外科で手術をしている疾患はたくさんあります。先天異常と言えるかどうかわかりませんが腋臭症(わきが)も手術しています。

形成外科で診療している具体的な疾患名につきましては、「形成外科取り扱い疾患一覧」を、形成外科診療に関するよくあるご質問につきましては、「形成外科Q&A」をご覧下さい。

スタッフ紹介

氏名 役職
柏木 瞭一郎 非常勤医師

症例数・治療実績

外来延べ患者数 入院延べ患者数 平均在院日数
960 0 0

医事システム年報より(令和5年度)

形成外科取り扱い疾患一覧

注意

  • 形成外科は他の診療科と診療範囲が重っている部分があります。そのため以下に記載があっても、他の診療科が同じ疾患に対して治療を行っている場合があります。
  • 疾患の症状や程度に応じて、形成外科のみでの対応が困難と考えられた場合は、以下に記載があっても他の診療科での治療をお願いする場合があります。
  • 外傷など、緊急対応を要する疾患の場合、時間帯によっては対応できない場合があります。

外傷(けが)や熱傷などの後遺症

1. 体表面のどの部分にも起こりうる外傷

  • 擦過傷(すりきず)
  • 切創、裂創(きりきず)
  • 挫創
  • 熱傷(やけど)
  • 電撃傷
  • 化学熱傷

2. 顔面に起こりうる外傷

  • 前頭骨骨折
  • 鼻骨骨折
  • 眼窩底骨折(ブローアウト骨折)
  • 頬骨骨折
  • 上下顎骨折
  • 顔面神経損傷
  • 唾液腺損傷
  • 頭蓋/顔面骨欠損

3. 手、足に起こりうる外傷

  • 指尖部損傷
  • 手指の外傷・変形

4. 瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕

  • 瘢痕
  • 瘢痕拘縮
  • 肥厚性瘢痕
  • ケロイド

腫瘍(できもの)

1. 母斑・血管腫・良性腫瘍

  • 色素性母斑
  • 扁平母斑
  • 太田母斑
  • 異所性蒙古斑
  • 脂腺母斑
  • 表皮母斑
  • 単純性血管腫
  • 苺状血管腫
  • 海綿状血管腫
  • 動静脈奇形
  • リンパ管腫
  • 母斑症
  • 脂肪腫
  • 粉瘤
  • 類皮嚢腫
  • 脂漏性角化症

2. 皮膚悪性腫瘍・癌前駆症

  • 悪性黒色腫
  • 有棘細胞癌
  • 基底細胞癌
  • ボーエン病
  • ページェット病
  • 日光角化症
  • 隆起性皮膚線維肉腫
  • 脂肪肉腫

3. 皮膚以外の悪性腫瘍

  • 乳房再建

先天異常(生まれつき)

1. 顔面に生じる先天異常

  • 唇裂
  • 口蓋裂
  • 鼻咽腔閉鎖機能不全
  • 先天性眼瞼下垂症
  • 小耳症
  • 副耳
  • 耳垂裂
  • 耳瘻孔(耳前瘻孔)
  • 埋没耳
  • その他の耳介異常
  • 第1第2鰓弓症候群

2. 手足に生じるもの

  • 合指症/合趾症
  • 多指症/多趾症
  • その他の四肢異常

3. その他の部位に生じる先天異常

  • 正中頚嚢胞
  • 副乳
  • 陥没乳頭
  • 臍突出症(臍ヘルニア)
  • 包茎

その他

1. 褥瘡、難治性潰瘍

  • 褥瘡
  • 難治性潰瘍

2. その他

  • 顔面神経麻痺
  • 後天性眼瞼下垂症
  • 毛巣洞
  • 陥入爪
  • 禿髪
  • 義眼床手術
  • 腹壁瘢痕ヘルニア
  • 腋臭症

形成外科Q&A

形成外科に関するよくある質問をまとめました

形成外科とはどのような診療科ですか?
形成外科は「主に体表面を中心とする変形・醜形に対し、主として外科的手段(手術)を用いて機能及び形態をできるだけ正常に近づける」事を仕事にしています。形成外科は「見た目」と「はたらき」の両面のバランスを考えながら治療しているわけです。「体表外科」の要素が強く、外から見て具合が悪ければすべて形成外科で診察していますが、皮膚だけでなく、具合の悪い原因がその下の筋肉や骨にあるのならそれも形成外科で治療を行います。
形成外科では具体的にはどのような疾患を治療していますか?
体表面の「見た目」と「はたらき」に異常をきたす原因として代表的なものは、外傷(けが)、腫瘍(できもの)、先天異常(生まれつき)の3つです。それぞれの具体的な疾患名については形成外科取り扱い疾患一覧をご覧下さい。
形成外科ではどのような患者さんの、どの部分を手術が多いですか?
疾患の数で比較すれば、腫瘍(できもの)が最も多く、外傷(けが)、先天異常(生まれつき)と続きます。また形成外科では体表面の頭の先から足の先まで手術をしていますし、年齢層も他の診療科と異なり、0歳の赤ちゃんから100歳に近い高齢者まで、幅広い年齢層の患者さんが偏りなく手術を受けておられます。
整形外科とはどう違うのですか?
整形外科は体の首から下の部位を対象とし、その部位の骨やその周囲の筋肉、腱などを取り扱う診療科であり、形成外科とは異なります。頭の骨や顔の骨は形成外科などが取り扱います。
美容外科とはどう違うのですか?
美容外科とは客観的には病気と認められない細微な形態変形を手術治療によって修復し、日常生活の満足度を向上させる診療科です。原則として保険適用ではありません。一般的には「美容外科は形成外科の一分野」と考えられていますが、現在当院において美容外科手術は行っていません。
形成外科では手術以外にどのような治療をしていますか?
形成外科では、けがややけどに対する洗浄や軟膏処置はもちろん、皮膚癌に対する抗癌剤投与、ケロイド・肥厚性瘢痕に対する薬物注入療法や放射線治療も行っています。また皮膚癌・ケロイド・肥厚性瘢痕の患者さんの放射線治療には放射線部の、手足の外傷・熱傷後のリハビリについてはリハビリテーション部の協力を得ています。

手術について

形成外科で手術すると傷跡が残らないと言うのは本当ですか?
そんなことはありません。どんな名人が手術しても縫った傷の跡は残ります。ただ細い糸でていねいに縫いますので、できた傷跡は比較的目立ちにくいと思います。
「見た目を改善することが目的の手術」については「必要ない」のではないでしょうか?
そうは思いません。がんであれ、けがであれ、生まれつきであれ、体の一部分がない人々、あるいは体に手術あとやきずあとがある人々の気持ちを暗くさせているのは、周囲の人々の視線であって、本人の性格に問題があるわけではありません。誰もが「皆と同じ、美しいからだで生きていきたい」と考えるのは当然であり、そういった患者さんに手術治療を行うのも必要なことと考えています。そのような治療を行って患者さんの社会生活の質の向上を図ることも形成外科医の役割です。
「見た目を改善することが目的の手術」に健康保険は使えますか??
社会保険医療関係全通知集には「いわゆる美容のためのものは給付外とするが、社会通念上医師として治療の必要があると認められるものについては給付して差しつかえない。」とあり、文中の「社会通念」がどの程度のところを指すかは非常に難しい問題です。しかし、やけど、事故のあとや手術のあとが目立っており、健全な社会生活を送ることが困難な方については健康保険を用いて手術を行うことは差し支えありません。
手術した日にすぐ帰れますか?
形成外科の手術には
入院せず局所麻酔で手術
入院して局所麻酔(形成外科医が施行)で手術
入院して全身麻酔や腰椎麻酔など(麻酔科医が施行)で手術
があります(現在、「入院せず全身麻酔で手術」は原則として行っていません)。どの方法で手術を行うかは、疾患の種類や部位のほか、年齢、家族構成、病院から自宅までの距離、合併症などを考慮して総合的に判断、決定しています。もちろん患者さん自身の希望に添う形で治療を行うことが多いので、一度受診時にご相談下さい。
手術の後は受診の必要がありますか?
一般的には何度か受診していただきますが、それは「傷の処置」のためだけではなく、「傷が順調に治ってきているかを確認する」ためです。ですから、通院困難な患者さんは、ご自身で処置していただいたり、近くのかかりつけのお医者さんで診ていただくことも可能です。一度受診時にご相談下さい。
縫った糸は抜かないといけないですか?
縫合に用いる糸には吸収糸(溶ける糸)と非吸収糸(溶けない糸)があり、それぞれ一長一短があります。当科では、血管や筋膜(筋肉を覆う膜)などゆるんだりしては具合の悪い部分は非吸収糸、その他の皮下組織(皮下埋没縫合を含む)には吸収糸を使用しています。皮膚や粘膜の表面は原則として非吸収糸を用いますが、抜糸しにくい部分には吸収糸を用いる場合があります。皮膚や粘膜を非吸収糸で縫った場合には抜糸が必要です。抜糸までの日数は部位によって異なり、手術後4日〜14日です。

具体的な疾患について

足の爪が食い込んで化膿しています。どうしたらいいでしょう?
軽度であれば、清潔に保つこと、丁寧に(爪の先が皮膚に刺さらないように)爪切りを行うこと、窮屈な靴を履かないことの3点を守れば改善しますが、中等度、重度の場合は手術が必要な場合が多いです。当院では「フェノール法」を用いることが多く、痛みも少なく、手術時間も短いので一度ご相談下さい。
手のひらや足の裏のほくろはとった方がいいのでしょうか?
教科書的な「手のひらや足の裏はもともと色素のない場所であり、そのような部分に生じたほくろは他の部分のほくろよりがんになりやすいので、切り取った方がよいと思います」という意見も広く語られていますが、ひとくちにほくろといっても「良性である可能性が極めて高く、将来的にもがんになる可能性は低い」ものから「ほくろのがん(悪性黒色腫)である可能性が極めて高い」ものまで様々ですので、具体的におすすめできる治療法はケースバイケースです。一度受診時にご相談下さい。
糖尿病があるのですが、縫った傷はうまくないますか?
糖尿病治療中の方は皮膚への血のめぐりが悪くなっている場合がありますので、縫合した部分がうまくつきにくいことがあります。しかし、当科で多くの患者さんを手術した印象では、それは手足の指先などもともと血流の少ない部分に限られ、頭部、頸部、胴体ではあまり傷の治りに差はないようです。
脳梗塞や心筋梗塞になったことがあるのですが手術を受けられますか?
脳梗塞や心筋梗塞になったことがあるからといって手術ができないことはありません。しかし、それらの治療のために血が止まりにくくなるようなお薬(ワーファリンなど)を服用しておられる場合には注意が必要です。一般的には脳神経外科や循環器科の専門医の了解を得て、それらの薬を手術前の一定期間休薬し、手術を行っています。